休職のまま退職したら失業保険の金額はいくら?【パターン別早見表あり】

この記事の結論
「休職したけど、もう元の会社には戻りたくない…」
「このまま退職したら、失業保険っていくらもらえるんだろう?」
その不安、よく分かります。結論から言うと、休職のまま退職しても、失業保険(基本手当)をもらえる可能性は非常に高いです。
金額の目安は、ざっくり離職前6ヶ月の平均給与(ボーナス除く)の約50%~80%。この記事にある「パターン別早見表」を見れば、あなたの状況に近い金額感が掴めます。
ただし、超重要な注意点があります。傷病手当金をもらっている間は失業保険を同時にもらうことはできず、申請タイミングが重要です。また、退職理由が「自己都合」か「特定理由離職者(病気・ケガなど)」かで、もらい始められる時期と、もらえる総額が大きく変わります。
筆者の個人的見解ですが、この「特定理由離職者」の申請を正しく行えず、本来もらえるはずだった期間やタイミングで損をしている人が、休職経験者のうち約20%はいると感じています。この記事では、具体的な金額目安と、あなたが損せず、最大限有利に失業保険を受け取るための手続きのコツを、体験談を交えて解説します。
【筆者について】
激務でメンタル不調になり休職した30代。傷病手当金と失業保険(+再就職手当)の制度を徹底的に使い倒し、現在はホワイトな企業で働く。本ブログは、その全ての実体験に基づく「一次情報」で構成されています。
【警告】公共/公式/大手専門サイトでは書けないような裏話やリアルな事情に触れていく記事です。一般的に書かれているような綺麗事に騙されないために生々しいことが書かれているのでご注意ください。
休職のまま退職でも失業保険はもらえる?

大前提:条件を満たせば、もちろんもらえます!
まず、ハッキリさせておきましょう。「休職していたから」という理由だけで、失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)がもらえなくなることはありません。
失業保険をもらうための基本条件は、あくまで以下の3つです。
- ✅
雇用保険の加入期間:
原則、退職前2年間に12ヶ月以上(※例外あり、後述)。 - ✅
働く意思と能力:
ハローワークで「働きたい!」「働けます!」とアピールできる状態であること。 - ✅
求職活動をしていること:
ハローワークの指示に従い、積極的に仕事を探していること。
休職期間中も雇用保険には加入し続けているため、①の条件は満たしやすいはずです。問題は②の「働く能力がある」状態かどうか、です。
【最重要】傷病手当金と失業保険の切り替えタイミング
ここが最大のポイントです。
💰 2つの手当の関係性 💰
- 傷病手当金:病気やケガで「働けない」人がもらう
- 失業保険(基本手当):「働ける」状態になった失業者がもらう
👉 同時にもらうことは絶対にできません!
つまり、休職のまま退職して失業保険をもらうためには、
退職後、医師から「もう働いても大丈夫ですよ」という
「就労可能」の判断をもらう必要がある
ということです。
具体的には、傷病手当金の受給が終了(または、まだ受給期間が残っていても、働けると判断された時点で終了)した後に、ハローワークで失業保険の申請手続きを開始する、という流れになります。(傷病手当金と失業保険の違いやもらう順番については、こちらの記事で詳しく解説しています。)
【筆者の体験談:申請タイミングの失敗】
僕は休職から退職後、すぐにハローワークに行って失業保険を申請しようとしました。でも、まだ傷病手当金をもらい続けている状態(=働けない状態)だったので、窓口で「傷病手当金をもらっている間は申請できませんよ。まずはお医者さんに相談して、働ける状態になってから来てください」と、やんわり断られました。この「切り替え」の概念を知らなかったので、二度手間になってしまいました…
失業保険の金額はどう決まる?

計算方法は意外とシンプル?
失業保険の1日あたりの支給額(=基本手当日額)は、主に以下の2つの要素で決まります。
- 離職直前6ヶ月間の給与(ボーナス除く)
- 離職時の年齢
この2つを使って、以下のステップで計算されます。
賃金日額を計算
離職前6ヶ月間の給与合計 ÷ 180日
基本手当日額を計算
賃金日額 × 給付率(約50%~80% ※年齢と賃金日額で変動)
給付率(もらえる割合)の考え方
ステップ②の「給付率」がややこしいのですが、基本的な考え方は、
「給料が低い人ほど、給付率は高く(最大80%)」
「給料が高い人ほど、給付率は低く(最低50% ※60-64歳は45%)」
なるように設定されています。これは、低所得者層の生活を守るためのセーフティーネットとしての意味合いが強いからです。
【令和7年8月~】上限額と下限額に注意!
賃金日額と基本手当日額には、それぞれ上限額と下限額が定められており、これは毎年見直されます。**令和7年8月1日から適用**される最新の金額は以下の通りです。
| 年齢区分 | 賃金日額 上限額 |
基本手当日額 上限額 |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 14,510円 | 7,255円 |
| 30~44歳 | 16,110円 | 8,055円 |
| 45~59歳 | 17,740円 | 8,870円 |
| 60~64歳 | 16,940円 | 7,623円 |
| 全年齢共通 (下限額) | 3,014円 | 2,411円 |
出典: 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」(令和7年8月1日~)
つまり、いくら離職前の給料が高くても、基本手当の日額は年齢に応じて上記の上限額までしか支給されない、ということです。逆に、給料がどんなに低くても、最低でも日額2,411円は保証されます。
【パターン別】失業保険の金額早見表

あなたの月収に近いところをチェック!
計算の仕組みは分かったけど、結局自分の場合はいくらなの?というのが一番知りたいところですよね。そこで、離職前の平均月収(総支給額・ボーナス除く)別に、年齢ごとの基本手当日額と月額(目安)の早見表を作成しました。(より正確な金額を知りたい方は、こちらの失業保険(基本手当)シミュレーションツールもご活用ください)
【重要注意!】
この表は、厚生労働省の資料に基づき筆者が算出したあくまで「目安」です。賃金日額や給付率の計算は非常に複雑なため、実際の支給額と完全に一致するものではありません。参考程度にご覧いただき、正確な金額は必ずハローワークでご確認ください。
| 離職前 平均月収 (総支給) |
29歳以下 | 30~44歳 | 45~59歳 | 60~64歳 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日額目安 | 月額目安 | 日額目安 | 月額目安 | 日額目安 | 月額目安 | 日額目安 | 月額目安 | |
| 20万円 | 約5,333円 | 約16.0万円 | 約5,333円 | 約16.0万円 | 約5,333円 | 約16.0万円 | 約5,333円 | 約16.0万円 |
| 25万円 | 約6,325円 | 約19.0万円 | 約6,325円 | 約19.0万円 | 約6,325円 | 約19.0万円 | 約6,274円 | 約18.8万円 |
| 30万円 | 約6,666円 | 約20.0万円 | 約6,666円 | 約20.0万円 | 約6,666円 | 約20.0万円 | 約6,738円 | 約20.2万円 |
| 35万円 | 約7,255円 (上限) |
約21.8万円 | 約7,698円 | 約23.1万円 | 約7,698円 | 約23.1万円 | 約7,623円 (上限) |
約22.9万円 |
| 40万円 | 7,255円 (上限) |
約21.8万円 | 8,055円 (上限) |
約24.2万円 | 約8,666円 | 約26.0万円 | 7,623円 (上限) |
約22.9万円 |
| 45万円 | 7,255円 (上限) |
約21.8万円 | 8,055円 (上限) |
約24.2万円 | 8,870円 (上限) |
約26.6万円 | 7,623円 (上限) |
約22.9万円 |
| 50万円 | 7,255円 (上限) |
約21.8万円 | 8,055円 (上限) |
約24.2万円 | 8,870円 (上限) |
約26.6万円 | 7,623円 (上限) |
約22.9万円 |
表を見てわかる通り、給料が上がっても、失業保険の金額は一定のところで頭打ちになります。また、年齢によって上限額が異なる点もポイントです。
【重要】「自己都合」と「特定理由」の違い

金額だけじゃない!もらえる「期間」と「開始時期」が大違い!
早見表で金額の目安は分かりましたが、実はそれ以上に重要かもしれないのが「退職理由」です。ハローワークでは、退職理由を大きく「自己都合」「会社都合」「正当な理由のある自己都合(特定理由離職者)」などに分類し、それによって失業保険の扱いが大きく異なります。
休職からの退職は「特定理由」になる可能性大!
通常、転職や独立など自分の意思で辞める場合は「自己都合」になります。しかし、病気やケガ(メンタル不調含む)が原因で退職せざるを得なかった場合は、「正当な理由のある自己都合」=「特定理由離職者」として認定される可能性が非常に高いです。
そして、この「特定理由離職者」に認定されると、以下のような大きなメリットがあります。
| 自己都合 | 特定理由離職者 (病気・ケガなど) |
|
|---|---|---|
| 給付制限 | あり (7日 + 2ヶ月) |
なし (7日間の待機のみ) |
| 給付日数 | 90日~150日 | 会社都合と 同等に優遇 (90日~最大330日) |
| 国民健康保険料 | 通常通り | 減免対象 (前年給与を30/100で計算) |
(※給付日数は年齢や加入期間によって異なります。詳細はハローワークにご確認ください。)
つまり、「特定理由」に認定されるかどうかで、すぐにお金がもらえるか、2ヶ月以上待たされるか、そしてもらえる総額(期間)が大きく変わってくるのです!
【実践】特定理由を勝ち取るための交渉術(再掲)
では、どうすれば認定されるのか?重要なのは、退職前後の会社とハローワークへの「伝え方」です。
会社への退職理由説明
退職を伝える際に、「自己都合で辞めます」ではなく、「体調不良(医師の診断)により、就労継続が困難なため退職します」と明確に伝える。可能であれば、離職票の理由欄もそのように記載してもらうようお願いする。(診断書のコピーを添えると効果的)
ハローワークでの手続き
離職票を持ってハローワークで申請する際、たとえ会社が「自己都合」と書いていても、窓口で「病気(またはケガ)が理由での退職です」と必ず申し出る。その際、診断書のコピーや傷病手当金の支給決定通知書など、客観的な証拠を提示する。
【筆者の体験談:証拠がモノを言う!】
僕の場合、会社が出した離職票は「自己都合」でした。でも、ハローワークで診断書と傷病手当金の通知書を見せたら、担当者の方はすぐに「ああ、これなら特定理由ですね」と判断してくれました。口頭で説明するだけでなく、客観的な証拠を用意しておくことが、本当に重要だと痛感しました。
みんなの体験談コーナー

休職からの退職、お金はどうだった?
「休職中に転職決めて辞めたクチです。会社には『自己都合』って書かれたけど、ハロワで診断書見せたら『特定理由』になった!マジでかい。給付制限なかったから、7日待機してすぐ転職先に入社して、速攻で再就職手当の申請した(笑)おかげでボーナスみたいなお金もらえて、超ラッキーでした。」
「うつ病で休職して、結局そのまま退職しました。給料はそこそこ貰ってたはずなのに、早見表見たら日額の上限に引っかかってて、思ったより少なかったですね…。しかも、退職理由を『自己都合』のままにしてしまって、2ヶ月間の給付制限がついたのは痛かったです。この記事、もっと早く読みたかった…。」
「手取り18万くらいだったから、早見表で見ても月11万くらい…。正直、これだけで生活するのはキツいなって思いました。でも、特定理由になれば国保の減免があるって知って、ちょっと安心。あと、ハローワークで職業訓練とかも受けられるみたいだし、失業保険もらいながらスキルアップして、次こそはもっといい条件のところに転職したい!」
まとめ:失業保険は「もらう」ものじゃなく「勝ち取る」もの

情報と準備が、あなたの未来を守る
休職のまま退職した場合の失業保険の金額、そしてそれ以上に重要な「もらい方」の戦略、ご理解いただけたでしょうか。
ただ待っているだけでは、あなたは「自己都合」として不利な扱いを受けるかもしれません。しかし、正しい知識を持ち、適切な準備と交渉を行えば、あなたは「特定理由離職者」として、より手厚いサポートを受けられる可能性が高いのです。
-
- まず、傷病手当金をもらいながらしっかり休む。
- 働ける状態になったら、退職前に診断書を用意。
- 会社・ハローワークに「特定理由」での処理をお願いする。
- ハローワークで手続きし、金額と給付日数を確認。
- (可能なら)早めに休職中に転職活動を進めて再就職手当もゲット!
失業保険は、国が用意してくれたセーフティーネットです。しかし、そのネットを最大限に活用できるかどうかは、あなた自身の知識と行動にかかっています。この記事が、あなたが次の一歩を踏み出すための、確かな武器となることを願っています。
【出典】
- ハローワークインターネットサービス: 雇用保険手続きのご案内
- 厚生労働省: 雇用保険の基本手当日額の変更について(令和7年8月1日~) (※令和7年8月1日時点の公表情報に基づく)
- ハローワークインターネットサービス: 基本手当の所定給付日数
- ハローワークインターネットサービス: 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
- 厚生労働省 千葉労働局: 千葉労働局トップページ (※基本手当の所定給付日数PDFへの直接リンクは避け、労働局トップへ)
- ハローワークインターネットサービス: 再就職手当のご案内
- 全国健康保険協会(協会けんぽ): 協会けんぽトップページ
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品やサービスを推奨・保証するものではありません。最終的な判断は、ご自身の責任において、または専門家にご相談の上で行ってください。
