傷病手当金は何回までもらえる?うつ病再発でも安心な新制度を解説

「もう、心も体も限界…。仕事を休みたいけど、お給料がゼロになるのは怖い」
「一度休んで復帰したけど、また調子が悪くなってきた。もう一度手当はもらえるの?」
そんな不安を抱えながら、毎日無理して出勤していませんか?
その心配、この記事が解決します!
先に結論からお伝えしますね。
傷病手当金は、条件を満たせば「何回でも」もらえます!
大切なのは「回数」ではなく「通算でもらえる合計期間」です。
この記事では、お金の心配をせずに安心して休むための知識を、誰にでもわかるように徹底解説します。
実は筆者も、過去にメンタルの不調で休職し、傷病手当金に助けられた経験があります。
だからこそ、あなたの不安な気持ちが痛いほどわかります。
一緒に制度を理解して、まずは心と体を休める第一歩を踏み出しましょう。
そもそも「傷病手当金」ってどんな制度?初心者のための基礎知識

「名前は聞いたことあるけど、実はよくわかっていない…」という方のために、簡単におさらいしましょう。
一言でいうと「お給料の約3分の2がもらえる国の保険制度」です
傷病手当金とは、あなたが加入している健康保険(※注1)から支給されるお金のこと。
業務外の病気やケガで働けなくなった時、あなたとあなたの家族の生活を守ってくれる、会社員の超強力なセーフティーネットなんです。
※注1:会社の健康保険(協会けんぽ、組合健保など)に加入している本人が対象です。国民健康保険には、この制度はありません。
これだけは押さえて!傷病手当金がもらえる4つの条件
誰でももらえるわけではなく、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。
傷病手当金を受け取るための4大条件 | |
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1 | 業務外の病気やケガで療養中であること (仕事中のケガなどは「労災保険」の対象になります) |
2 | 療養のために働くことができない状態であること (自己判断ではなく、医師の判断が必要です) |
3 | 連続する3日間(待期期間)を含み、4日以上仕事を休んでいること |
4 | 休んだ期間、会社から給与の支払いがないこと (給与があっても、傷病手当金より少ない場合は差額が支給されます) |
【この記事の核心】傷病手当金、ぶっちゃけ「何回まで」もらえるの?

さて、ここからが本題です。
特にメンタルの不調は、良くなったり悪くなったりを繰り返すこともありますよね。
その度に傷病手当金がもらえるのか、不安に思うのは当然です。
結論:回数制限はナシ!「通算1年6ヶ月」の期間内ならOK!
以前は「支給を開始してから1年6ヶ月」で期間が終了してしまいましたが、2022年1月の法改正で、働く人にとって非常に有利なルールに変わりました!
支給期間が「通算化」され、
途中で復職した期間はカウントされなくなりました!
つまり、支給された日数の合計が「1年6ヶ月(約545日)」に達するまで、分割して何回でも受け取れるようになったんです。
言葉だけだと分かりにくいので、図で見てみましょう。
傷病手当金「通算化」のイメージ
▼ ケース:うつ病で6ヶ月休職 → 1年間復職 → 再発して再び休職
【新制度(今はこちら!)】
①で6ヶ月分受給。復職期間はノーカウント。まだ残りの1年分、②で傷病手当金をもらう権利が残っています!
【旧制度(~2021年まで)】
①の休職開始から1年6ヶ月が経過した時点で、権利が消滅。②で再発しても、もう傷病手当金はもらえませんでした…

この「通算化」、本当に画期的なんです!
「1年6ヶ月以内に無理して復帰しないと…」というプレッシャーがなくなったので、より治療に専念しやすくなりました。焦らず、あなたのペースでいきましょう!
【5ステップで完了】傷病手当金の申請、実はこんなに簡単!

「手続きが難しそう…」と尻込みする必要はありません。
基本的には、会社と病院の指示に従えば大丈夫。全体の流れはこんな感じです。
人事や上司に「医師から休職の指示が出た」と伝えます。
会社に提出するために、休職が必要な旨を書いてもらいます。
健康保険組合のサイトからもダウンロードできます。
自分で書く部分と、お医者さんに書いてもらう部分があります。
あとは会社が残りを記入し、健康保険組合に提出してくれます。
休職中、どうしても今の会社に戻りたくないと思ったら

休職は、心と体を休めるための大切な期間です。
そして同時に、これからの自分の生き方や働き方を見つめ直す絶好のチャンスでもあります。
休んでみて初めて、「あの職場に戻るのは、やっぱり無理かもしれない…」
そう感じるのは、ごく自然なことです。
あなたの人生、その会社だけがすべてじゃないですよ。
無理に転職をすすめるわけではありません。
ただ、心身が少し回復してきたタイミングで、「世の中には、他にどんな会社や働き方があるんだろう?」と、情報収集を始めてみるのはとてもおすすめです。
選択肢があることを知るだけで、視野が広がり、心がフッと軽くなるものです。
そういう時、自分一人で抱え込まずに、転職のプロに客観的な意見を聞いてみるのも一つの手ですよ。
※休職中の相談もOK。無理な勧誘はありません
まとめ:制度を賢く利用して、焦らずあなたのペースで進もう

最後に、この記事で一番お伝えしたかったことを繰り返します。
傷病手当金は、心身の不調で頑張れなくなったあなたを守るための、大切なセーフティーネットです。
回数制限はなく、「通算1年6ヶ月」という持ち時間があることを、お守りのように覚えておいてください。
お金の心配は、公的な制度に一旦預けてしまいましょう。
今はとにかく、自分を責めずに、自分の心と体を休めることだけを最優先に考えてくださいね。
あなたが元気を取り戻せることを、心から願っています。